最終更新日: 2025/1/13
「M&Aで課される税金について知りたい」
「M&Aにおいて、どのような税金対策が取れるのか知りたい」
このようにお考えではありませんか?
本記事では、M&Aの際にかかる税金について、事業譲渡・株式譲渡それぞれのケースに分けて詳しく解説します。
合わせて、M&Aの税金対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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M&Aは企業として行う場合もあれば、個人の場合もあります。
税金の計算方法は個人と法人で大きく異なるため、まずは個人と法人における所得と税金について理解しておきましょう。
個人の所得は、どのように得た収入かによって、以下の10種類に分類されます。
利子所得 | 預貯金や債券などの利子 |
---|---|
配当所得 | 株式の配当や株式投資の分配金 |
不動産所得 | 土地や建物の貸付で得られる所得 |
事業所得 | 農業・漁業・製造業・小売業・サービス業など、対価を得て 継続的に行われる事業で得られる所得 |
給与所得 | 勤務先から受け取る給与・賞与 |
譲渡所得 | 不動産(土地・建物など)や有価証券(株式・債権など) といった資産を譲渡することで得られる所得 |
一時所得 | 生命保険の一時金・懸賞の賞金・競馬の払戻金など |
雑所得 | 他の9書類の所得にあてはまらない所得 |
退職所得 | 退職により、勤務先から受け取る退職金による所得 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡、あるいは立木のまま譲渡して得た所得 |
各所得には所得税が課せられますが、所得の種類によって課税方法が「総合課税」「分離課税」の2つに分かれます。
総合課税 | 配当所得 不動産所得 事業所得 給与所得 譲渡所得 一時所得 雑所得 |
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分離課税 | 利子所得 退職所得 山林所得 譲渡所得(不動産、株式を売却した場合) |
総合課税は各所得の金額を合計した上で所得税額を算出する一方で、分離課税はそれぞれの所得ごとに所得税を計算します。
法人の所得は個人のように分類されず、益金の額から損金の額を引いた金額に対して、法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税がかかります。
ここからは、事業譲渡にかかる税金について解説します。
事業譲渡では「売り手」と「買い手」にそれぞれ異なった税金がかかります。
事業譲渡において、売り手側に課税されるのは以下の4つの法人税です。
法人税は、事業譲渡で生じた譲渡益に課せられます。
ただし、法人税は総合課税であり「売り手法人の利益全体」に対して課されるため、損益通算した結果赤字だった場合には法人税は課税されません。
事業譲渡において、買い手側に課税される可能性があるのは、以下の3つの税金です。
消費税は、事業譲渡の対象に以下のような「消費税課税資産」が含まれている場合に、買い手が納めます。
また、事業譲渡により不動産を譲り受ける場合には、不動産取得税と登録免許税が課税されます。
続いて、株式譲渡にかかる税金を解説します。
株式譲渡において課せられる税金は、売り手が「個人」か「法人」かによって異なります。
売り手が「個人」の場合には、主に以下3つの税金が課せられます。
このうち、復興特別所得税は2037年までの課税とされています。
一方、売り手が「法人」の場合には、以下の4つの法人税が課せられます。
法人税は総合課税であり、売り手の法人の利益全体に対して課税されます。
したがって、会社状況により損益通算した結果が赤字だった場合には、法人税は課されません。
株式譲渡において、基本的に消費税は発生しません。
原則として、株式や国債など有価証券の譲渡は消費税の非課税取引と定められているためです。
ただし、課税売上割合によっては消費税が発生するケースもあります。
また、譲渡代金の支払いなどにかかった手数料については、消費税課税の対象となります。
M&Aにおける税金対策としては、以下の5つが挙げられます。
それぞれ説明します。
M&Aにおける税金対策の1つ目は、退職金スキームを活用することです。
退職金スキームは、株式譲渡における譲渡対価の一部を役員退職金として受け取る方法で、退職所得と譲渡所得の税率差による節税効果が期待できます。
退職金スキームについては、退職金スキームによる節税とは?株式譲渡・事業譲渡時の退職金を解説で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
M&Aにおける税金対策の2つ目は、第三者割当増資を行うことです。
第三者割当増資とは、特定の第三者に引き受ける権利を付与して新株を発行する方法です。
買い手に対して、半数を超える議決権を取得させるように第三者割当増資を行うことで、株式を売却せずに経営権を引き渡せます。
売り手は所有株式を売却するわけではないので、税金は課せられません。一方で、譲渡益も発生しません。
M&Aにおける税金対策の3つ目は、概算取得費の特例を活用することです。
概算取得費の特例とは、取得費が分からない場合には売却金額の5%相当額を取得費として取り扱える制度のことです。
取得費が分からない場合のほか、実際の取得費が譲渡代金の5%相当額を下回る場合にも概算取得費の特例が認められます。
譲渡所得を算出する際には、売却金から取得費を差し引くことができるため、取得費が高ければその分譲渡所得を引き下げて節税効果が期待できます。
M&Aにおける税金対策の4つ目は、ニーズが高い資産に限定して売却することです。
たとえば、株式譲渡によりM&Aを行う場合には、買い手にとって不要なものも含めたすべての資産を引き継ぎ、買収金額にも反映されます。
そして不要な資産の分、買収金額が大きくなることで、支払う税金額も大きくなります。
そこで、以下のような方法でニーズが高い資産に限定して売却することで、税金対策が可能です。
M&Aにおける税金対策の5つ目は、売却益を経費で相殺することです。
法人に限定した方法になりますが、法人税は総合課税であり「売り手法人の利益全体」に対して課されるため、損益通算した結果赤字だった場合には法人税は課税されません。
そのため、広告費など多額の経費を計上する時期に合わせて売却すると、法人税の節税が可能です。
なお、事業譲渡における「のれん(営業権)」に相当する部分は、資産調整勘定として扱えるため、法人税の課税対象である利益を5年間減らすことができます。
ほかにも、M&Aにともなって退職する役員や従業員がいる場合、退職者に支払う退職金は会社の経費として算入可能です。
今回はM&Aにかかる税金について、事業譲渡と株式譲渡それぞれのケースに分けて詳しく解説するとともに、M&Aの税金対策についても紹介しました。
大きな金額が動くM&Aでは、かかる税負担も大きくなりがちです。
ぜひ、本記事を参考にM&Aにおける税金を理解し、円滑なM&Aを目指してください。
事業承継税制や事業承継・引継ぎ補助金(M&A補助金)について詳しく知りたい方は、下記のコラムも合わせてご参考ください。
なお、弊社のシェアモルM&Aは、
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最終更新日: 2025/1/13
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齋藤 康輔シェアモル株式会社 代表取締役
東京大学教養学部基礎科学科在学中に、半導体(シリコン)のシミュレーションを専攻する傍ら、人材会社にてインターン。
インターン中に人材会社向け業務システムを開発し、 大学卒業後の1年間、上記人材会社にて勤務後、 共同出資で2007年3月に上記システム「マッチングッド」を販売する会社、 マッチングッド株式会社を設立。
12年の経営の後、2019年1月に東証プライム上場企業の株式会社じげんに株式譲渡。
2019年9月、売却資金を元手に、シェアモル株式会社を設立。
自身のM&Aの経験から、買い主と売り主の間での情報の非対称性や、 M&A仲介会社が出している付加価値に疑問を感じ、 自身が思わず依頼したくなるような、 付加価値の高いM&A仲介サービスを提供したいと強く思い、 IT技術をフル活用したM&A仲介事業「シェアモルM&A」をスタート。
現在はシェアモルM&Aと、SEOに強い文章をAIが作成する「トランスコープ」を展開中。