最終更新日: 2025/1/21
「M&A仲介でよく見るレーマン方式について知りたい!」
「成果報酬がどのように変わるか詳しく知りたい!」
このようにお考えではないでしょうか?
本記事では、M&A・事業承継のレーマン方式に関する、種類や計算方法について分かりやすく解説します。
また、メリット・デメリットやM&A仲介業者の確認ポイントも紹介するので、仲介業者を比較する際の参考にしてください。
なお、弊社のシェアモルM&Aは、
の4点で、他社様から選ばれております。
無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
レーマン方式は、仲介業者への成果報酬を算出する方式です。
基準となる価額をもとに、報酬料率が変動する仕組みとなっています。
中小M&Aガイドラインでも「報酬を算定する手法として、レーマン方式が採られることが多い」とあるため、一般的だといえます。
報酬料率の表は次のとおりです。
基準となる価額(円) | 報酬料率(%) |
---|---|
5億円まで | 5% |
5億円超~10億円まで | 4% |
10億円超~50億円まで | 3% |
50億円超~100億円まで | 2% |
100億円超~ | 1% |
また、計算式は以下になります。
成果報酬=基準となる価額×報酬料率 |
なお、基準となる価額の総額ではなく、段階的に分けて算出する点が特徴的です。
たとえば基準となる価額が9億円の場合、5億円までは5%、残り4億円に4%が適用されます。
レーマン方式を採用することで、規模に合わせた公平な報酬体系が実現されています。
M&A仲介を依頼する企業にとっても、取引にかかる予算の立てやすさが利点です。
レーマン方式には次の4種類があります。
M&A仲介業者ごとに適用している基準が異なります。
基準を把握していないと成果報酬に大きく影響するため、それぞれの違いを押さえておきましょう。
株式価値基準は、売却した株式の価額を、そのまま基準となる価額として用いる方式です。
企業の負債や他の資産を考慮せず、株式価値のみに焦点を当てるため、比較的計算がカンタンです。
企業の成長や収益性を評価する際に、株式価値基準を使用することで、シンプルで明確に評価できます。
また、株式価値基準であれば、手数料が他の基準よりも低く抑えられます。
しかし、市場の変動によって株価が大きく変動する場合、株式価値基準ではリスクを正確に評価することが難しいかもしれません。
株式の価格算定方法については「事業譲渡・株式譲渡の価格算定方法とは?価格に影響する要素も解説」で詳しく解説しているため、あわせてご参照ください。
なお、弊社のシェアモルM&Aでも株式価値基準を適用しており、着手金・中間金は発生しません。
また、負債額を加えない株式譲渡価格をベースに算出するため、さらに手数料を低く抑えられる利点があります。
手数料を低く抑えたい方は、まずはシェアモルM&Aの無料相談をご利用ください。
オーナー受取額基準は、売却した株式の価額に役員借入金を加算する方式です。
役員借入金は、経営者・親族から借りているお金を指し、事業承継時に返済されます。
経営者の実質的な利益を考慮するため、より公平な報酬計算が可能です。
ただし、株式価値基準と比較して成果報酬が高くなる傾向にあります。
M&A仲介業者を利用する際は、役員借入金も含めた考慮が必要です。
経営者の実質的な利益を反映する一方で、成果報酬が高くなるリスクも伴うと理解したうえで、適切なM&A戦略を検討しましょう。
企業価値基準は売却した株式の価額に、企業が抱える有利子負債を加算する方式です。
有利子負債は、金融機関や債券市場などからの借入金を指します。
譲渡側の経営者にとって、売却資金を獲得できるうえ負債もなくなります。
一方、有利子負債額が大きい企業ほど、成果報酬額も多くなる点は注意が必要です。
また、企業の実態や将来の見通しを考慮しない単純な評価方法では、企業価値を正確に算出するのが難しいかもしれません。
企業価値基準は譲受側が引き継ぐ負債も考慮するため、取引の全体像をより適切に捉えられる計算方式です。
移動総資産基準は売却した株式の価額に、全負債の合計額を加算する方式です。
企業の全資産と負債を総合的に考慮するため、取引の経済的影響を最も包括的に反映します。
大規模なM&Aや、複雑な財務構造を持つ企業に適しています。
ただし、4種類ある基準のうち、成果報酬が最も高額になりやすいです。
なぜなら、他の基準と比較して、より多くの要素を基準となる価額に含めるためです。
移動総資産基準を適用するM&A仲介業者を検討する際は、規模や企業の財務状況を十分に考慮し、他の基準とも比較しましょう。
企業の成長戦略や価値向上において、状況に合わせた適切な選択が重要です。
レーマン方式の種類別で計算方法を解説します。
成果報酬額を比較するためにも、次の条件を前提としてそれぞれの計算方法を見ていきましょう。
条件 | 設定額 |
---|---|
株式売却額 | 7億円 |
役員借入金 | 8,000万円 |
有利子負債の合計 | 1億5,000万円 |
その他の負債 | 2億円 |
基本の計算式を以下に示します。
成果報酬=株式売却額×報酬料率 |
前提条件を当てはめた計算式は、次のとおりです。
5億円×5%=2,500万円 2億円×4%=800万円 2,500万円+800万円=3,300万円 |
成果報酬は3,300万円です。
他の基準では成果報酬がどの程度変わるのか比較してみましょう。
基本の計算式を以下に示します。
成果報酬=(株式売却額+役員借入金)×報酬料率 |
前提条件を当てはめた計算式は、次のとおりです。
株式売却額:7億円+役員借入金:8,000万円=7億8,000万円 5億円×5%=2,500万円 2億8,000万円×4%=1,120万円 2,500万円+1,120万円=3,620万円 |
成果報酬は3,620万円です。
株式価値基準より320万円高くなっています。
役員借入金が多い企業ほど、報酬額も増える可能性があるでしょう。
基本の計算式を以下に示します。
成果報酬=(株式売却額+有利子負債)×報酬料率 |
前提条件を当てはめると、次の計算式になります。
株式売却額:7億円+有利子負債:1億5,000万円=8億5,000万円 5億円×5%=2,500万円 3億5,000万円×4%=1,400万円 2,500万円+1,400万円=3,900万円 |
成果報酬は3,900万円です。
株式価値基準より600万円高くなっています。
有利子負債が多い企業ほど、成果報酬の負担も大きくなってしまうでしょう。
基本の計算式を以下に示します。
成果報酬=(株式売却額+有利子負債+その他の負債)×報酬料率 |
前提条件を当てはめると、次の計算式になります。
株式売却額:7億円+有利子負債:1億5,000万円+その他の負債:2億円=10億5,000万円 5億円×5%=2,500万円 5億円×4%=2,000万円 5,000万円×3%=150万円 2,500万円+2,000万円+150万円=4,650万円 |
成果報酬は4,650万円です。
株式価値基準より1,350万円高いと分かります。
4つの基準を比較した場合では、最も高額の報酬額となりました。
コストを抑えたいのであれば、移動総資産基準は選ばないのが望ましいです。
メリットは、次の2点です。
各メリットの詳細を解説します。
レーマン方式であれば、手数料の見積りが比較的カンタンです。
基準となる価額ごとに報酬料率が定められているため、規模が決まればおおよその成果報酬額を事前に算出できます。
またレーマン方式ならば透明性が高く、M&A仲介にかかるコストを事前に把握でき、適切な予算計画を立てられます。
M&A仲介業者との交渉においても、報酬の根拠が明確で公平な取引も可能です。
M&A仲介業者を複数検討している場合、各社の手数料を事前に算出できれば、自社の予算に合うところに絞り込みやすくなります。
レーマン方式は、報酬体系が公平なシステムです。
取引額が大きくなれば報酬料率は低くなるため、バランスの取れた報酬設定ができます。
たとえば、株式譲渡価格7億円に対して一律5%の報酬料率がかかる場合、株式価値基準と比較すると次のように結果が変わります。
成果報酬 | 計算式 |
---|---|
レーマン方式 | 5億円×5%=2,500万円 2億円×4%=800万円 2,500万円+800万円=3,300万円 |
一律5%の報酬料率 | 7億円×5%=3,500万円 |
上記の場合、成果報酬の差額は一律5%の方が200万円高いです。
レーマン方式であれば、基準となる価額ごとに報酬料率が設定されるので、取引規模は大きくなっても報酬が過度に高額になるのを防ぎます。
仲介業者は規模に関わらず適切な報酬を得られ、企業側も適切な費用負担で仲介サービスを受けられて、双方にとって公平な仕組みだといえます。
レーマン方式のデメリットは、次の2点です。
M&A仲介を依頼する際は、デメリットも把握しておきましょう。
レーマン方式のデメリットは、小規模になるほど報酬料率が高くなる点です。
小規模なM&A取引において、相対的に高い成果報酬を支払う可能性があります。
レーマン方式で最も高いのは、5億円以下の部分にかかる5%です。
大規模取引であれば報酬料率が下がるため、相対的な負担は軽くなります。
しかし、小規模企業にとっては成果報酬が割高に感じてしまい、依頼するかどうか悩む要因になる可能性もあります。
ただし報酬料率は、小規模案件でもM&A仲介業者が適切なサービスを提供するための、インセンティブである側面もあると認識しておきましょう。
小規模案件でも適切なサポートを得るために、バランスを考慮したうえで契約を進めるのが大切です。
M&A仲介業者の中には、最低報酬額を設けているケースがあります。
最低報酬額は、仲介業者が一定以上の報酬を確保するための仕組みです。
たとえば最低報酬額が2,000万円の仲介業者は、レーマン方式による報酬が1,200万円でも、2,000万円の報酬が発生します。
小規模なM&Aでは、取引額に対する最低報酬額が高い場合もあるため、M&A実行の障害となるでしょう。
M&A仲介業者に依頼する際は最低報酬額の有無や、価額についても確認し、総合的に判断するのが重要です。
デメリットを理解したうえで総合的に判断すれば、円滑な取引を実現できるでしょう。
M&A仲介業者を利用する際は、レーマン方式における次の4点を確認しておきましょう。
それぞれのポイントについて解説します。
M&A仲介業者を利用する際は、成果報酬に対する消費税の取り扱いを事前に確認するのが重要です。
仲介業者によっては、消費税を請求する場合があります。
たとえば成果報酬2,500万円で、消費税10%が加算されると、支払額は2,750万円です。
消費税によって、M&Aを依頼する企業のコスト負担が増加します。
M&A仲介業者と契約交渉の際は、成果報酬に消費税が含まれているのか、別途請求されるのかを確認しましょう。
消費税を確認しておけば、予期せぬ追加コストを避けられて、正確な費用計画を立てられます。
M&A仲介業者の契約書を十分確認しておくのも非常に重要です。
専門用語の具体的な定義や、どの負債項目を含めるかなどを把握する必要があります。
各区分に対する報酬料率も確認し、業界標準と大きく異なる設定がないかチェックしましょう。
また、着手金や中間金など成果報酬以外にかかる費用の有無や、具体的な価額も確認してください。
契約書の細部まで理解し、必要に応じて交渉することによって、公平で透明性の高い取引条件を確保できます。
契約書の内容を十分に理解してから合意すれば、M&A取引のプロセスをスムーズに進められるでしょう。
M&A仲介業者の中には、最低報酬額(ミニマムフィー)を設定しているケースがあります。
最低報酬額は、小規模の取引であっても、仲介業者が受け取る最低限の報酬を保証するためです。
M&A仲介業者ごとに最低報酬額は異なります。
他社と比較して最低報酬額が低いM&A仲介業者に依頼すれば、コストを抑えられるでしょう。
なお最低報酬額について、大手M&A仲介業者では2,500万円に対し、弊社のシェアモルM&Aは1,000万円になっております。
シェアモルM&Aを活用いただくと、他社よりも仲介手数料を抑えられるうえ、譲受企業側のコストも軽減し契約が決まりやすいのは大きなメリットです。
コストを抑えたい方は、シェアモルM&Aにお問い合わせください。
M&A仲介業者がどの基準を採用しているか、あらかじめ確認しておきましょう。
レーマン方式の基準ごとに成果報酬額が変動するため、M&Aのコスト負担に大きく影響します。
たとえば、企業に多額の有利子負債があるケースでは、企業価値基準・移動総資産基準を選ぶと成果報酬額が増加するでしょう。
また、のれん代や知的財産権などの無形資産の評価方法や、負債の範囲などについて確認しておくのも重要です。
基準額の設定方法を十分に理解し、必要に応じて交渉することによって、最適なM&Aを実現できる可能性が高まります。
M&A仲介を依頼する際は、レーマン方式の4つの基準を把握しておくと、M&Aにかかるコストを抑えられる可能性が高まります。
基準となる価額ごとに報酬料率が定められているため、おおよその成果報酬額を事前に算出できる点がメリットです。
また、M&A仲介業者ごとに基準は異なるため、負債額の有無や役員借入金などを考慮しましょう。
なお、弊社のシェアモルM&Aは、
の4点で、他社様から選ばれております。
また、弊社コラムではM&A・事業承継に関する記事を掲載しておりますので、ぜひご参照ください。
シェアモルM&Aでは無料相談を実施しておりますので、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
最終更新日: 2025/1/21
ミーティング時に貴社とシナジーのあるクライアントの概要をお伝えいたします。
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齋藤 康輔シェアモル株式会社 代表取締役
東京大学教養学部基礎科学科在学中に、半導体(シリコン)のシミュレーションを専攻する傍ら、人材会社にてインターン。
インターン中に人材会社向け業務システムを開発し、 大学卒業後の1年間、上記人材会社にて勤務後、 共同出資で2007年3月に上記システム「マッチングッド」を販売する会社、 マッチングッド株式会社を設立。
12年の経営の後、2019年1月に東証プライム上場企業の株式会社じげんに株式譲渡。
2019年9月、売却資金を元手に、シェアモル株式会社を設立。
自身のM&Aの経験から、買い主と売り主の間での情報の非対称性や、 M&A仲介会社が出している付加価値に疑問を感じ、 自身が思わず依頼したくなるような、 付加価値の高いM&A仲介サービスを提供したいと強く思い、 IT技術をフル活用したM&A仲介事業「シェアモルM&A」をスタート。
現在はシェアモルM&Aと、SEOに強い文章をAIが作成する「トランスコープ」を展開中。